大阪・関西万博 よしもとパビリオンの映像演出を支えるローランドのビデオ・スイッチャー 大阪・関西万博 よしもと waraii miraii館 https://expo.yoshimoto.co.jp/ 2025年4月13日に開幕した大阪・関西万博は、世界158の国と地域が参加して2025年10月13日まで開催される。 会場には180以上のパビリオンが参加しているが、その1つである「よしもと waraii myraii館」では、「こころとからだの健康につながる、笑いのチカラ」をテーマに連日多くの観客を魅了している。そのパビリオンの運営にローランドのビデオ・スイッチャーが活用されていると聞き、導入の経緯を株式会社よしもとブロードテック 鳴瀬様と、機材選定と設置を行った三友株式会社 取締役 辰巳様に話を伺った。 [ 株式会社よしもとブロードテック 鳴瀬様 ] 3台のビデオ・スイッチャーを活用、よしもとパビリオンの舞台裏 鳴瀬氏:私は2024年の5月頃からこの企画に参画したのですが、その段階ではまだ詳細は決まってなく、ざっくりと「球体LEDビジョンを中心に盆踊りをする」というものでした。その後、球体LEDビジョンに加えて、ステージに300インチのLEDビジョンを設置することになり、それぞれの映像演出ができるようなシステムを検討しました。 2025年2月末から現地で設置工事を開始し、1ヶ月弱で一旦は完成を見たものの、リハーサルを繰り返すうちに制作サイドからの要望が膨らむとともに回線数が一気に膨らんでしまい、V-160HDがあって良かったと胸をなでおろしました。 [ V-160HD(左)、V-1SDI(中央右)、V-600UHD(右奥)が3台並んで運用されている ] 鳴瀬氏:V-160HDは300インチLEDビジョンの演出を担っています。V-160HDに入力されているPTZカメラは、演出以外にもスタッフの会場確認用として使用するものほかに、会期中にお客様の笑顔を検知して、笑顔の数を集めるという独自システムに使うものを含め5台設置しています。その他の入力は映像送出機、PC、カラオケ機器などですね。 隣のV-1SDIは演者への返しモニター用です。現在ではいわゆるカンペもスケッチブックからタブレットに移行しており、V-1SDIはここ関西万博会場だけでなく、当社のほぼ全国の劇場に導入されています。 また、球体LEDビジョンの演出にはV-600UHDを使用しており、こちらはPTZカメラ2台とV-160HDメインアウト、映像送出用のPCが接続されていて、300インチLEDビジョンのコンテンツとは切り分けているのですが、その2つが連携した演出も可能になっています。 [ 球体LEDビジョンへの映像送出に利用されているV-600UHD ] 直感的な操作と信頼性、少数スタッフでの運用にも柔軟に対応 —— 演出形態や用途の違いがあるものの、全てのセクションでローランドのスイッチャーが導入されている経緯を伺った。 鳴瀬氏:当社でローランドのスイッチャーを使いだしたきっかけは、コロナ禍で全国の劇場からライブ配信を開始するとなった時に、各地にVR-4HDを導入したのがきっかけです。また私自身は外現場での送出用にVR-50HDを持ち歩いています。小規模の現場や返しモニター用としてはV-1SDIを使用するなど、以前からローランドのスイッチャーを活用していました。劇場でのシステムへの映像送出ニーズとしてはSDIが必須といっても良い状況なので、コンバーターを介さずに接続できるSDI端子があるモデルが便利ですね。 V-160HDについては今回初めて使用しましたが、実は以前から使ってみたいと思っていたスイッチャーでした。実際に運用を始めてみると、「できること」が多いと魅力に感じました。インプットが多いこともポイントですね。 今回の万博ではこれまでの劇場での演出に加えて、制作サイドから合成段が多い演出要望があり、またカメラ操作も一部携わるなど操作体系が複雑になりましたので、プリセット(シーン・メモリー)機能は大変便利に感じています。 少数スタッフで運営していることに加え、長期間の運用では後から来るスタッフに引き継いていく必要もあり、操作手順が簡潔なシステムにしておかないと共有が難しくなるので、ワンプッシュで場面を転換できるのは便利ですね。 これまでの実績からも私はローランドのスイッチャーに全幅の信頼を置いているので、安心して日々使用しています。他社のスイッチャーもたまに操作することはありますが、やはりローランド製品は現場で直感的に操作できる点が気に入っています。 [ 制作サイドからの要望に柔軟に対応できたというV-160HD ] 様々なハプニングを乗り越え、想定以上のシステムが完成 —— 演出形態や用途の違いがあるものの、全てのセクションでローランドのスイッチャーが導入されている経緯を伺った。 [ 三友株式会社 取締役 辰巳様 ] 辰巳氏 :実は3月初旬に一旦お引き渡し完了の段取りだったのですが、そこから演出の追加要望が多く、物品納入や追加施工といったハプニングがありましたが、無事3月末に納入完了となりました。ローランドのスイッチャーの汎用性の高さに助けられたといっても過言ではなく、1年かけて準備してきて、最終的に当初の想定以上のシステムと演出によってお客様の笑顔を見られたことはシステム屋冥利に尽きます。 また、いわゆるソフトウェアベースの機種では、どうしても、たまにフリーズするようなトラブルに見舞われることがありますが、しっかりハードウェアベースで組まれたローランド製品の安定性は、販売する側としても安心感がありますし、プロの現場の道具として良いのではないかと思っています。 こだわりの演出とそれを支える技術の融合で、お客様の笑顔が生まれるパビリオンに —— 今回、パビリオンの立ち上げからオープンまで関わられた感想を鳴瀬様に改めて伺った。 鳴瀬氏:お客様が、ご自身の笑顔がLEDビジョンに映し出されている様子を見て、そこから新たな笑顔が生まれたり、カメラに向かって手を振ってくださったりします。そんな様子を見ると、制作・演出側の意図がお客様に通じたという達成感を感じました。 笑顔検知と盆踊りは当館が推すメインコンテンツですが、それを後方で支えるシステムとしてV-160HDやV-600UHDの機能が発揮できたことは私としても嬉しく感じています。 直感的に使える便利さは現場では必須の要素なので、私は今後もローランドのスイッチャーを使い続けると思います。ローランドには、これからもそのスタイルでスイッチャーを創り続けてほしいですね。 使用製品 V-160HD V-600UHD V-1SDI お問い合わせ 製品に関するお問い合わせは、こちらから。 お問い合わせ