相撲×和食×江戸文化 銀座に誕生した体験型ライブレストランが選んだ4K映像システム

THE SUMO LIVE RESTAURANT 日楽座 GINZA TOKYO

https://hirakuza.net/tokyo/

日楽座 GINZA TOKYOエントランス (写真 ©HIRAKUZA)

3面LEDビジョンにより迫力の映像演出を提供 (写真 ©HIRAKUZA)

「EDO Spirit – Sumo & Culture Experience –」をコンセプトに、江戸の情緒と相撲の伝統、和食、そして日本酒を掛け合わせたインバウンド向け体験型ライブレストランが2026年1月、東京・銀座に誕生した。「THE SUMO LIVE RESTAURANT 日楽座 GINZA TOKYO」は、実寸大の土俵ステージを中心に、映像・音響・照明演出を駆使して、かつての江戸の熱気をエンタテイメントとして現代に蘇らせたレストランだ。演出は全編英語対応で、初めて相撲に触れるインバウンド観光客にも楽しめる文化体験の場を提供している。

力士の登場を映像・音・光で盛り上げる (写真 ©HIRAKUZA)

力士による本格的な相撲ショー (写真 ©HIRAKUZA)

2024年5月に大阪・なんばで開業した1号店「THE SUMO HALL 日楽座 OSAKA」は、わずか1年で世界110を超える国と地域から3万6,000人以上の来場者を迎え、その手応えをもとに銀座への進出を決めた。銀座店オープンにあたって、映像システムのアップデートが行われ、中核となる機材としてローランドの4K対応AVミキサー「VR-400UHD」が採用された。
今回、機材選定のポイントや施設のこだわりについて、施設を運営する株式会社阪神コンテンツリンクの柴崎正弘氏、映像・音響・照明の設計施工を行ったイースペック株式会社の大薗淳二氏、機器オペレーションを担当するエンジニアの大坪優季氏にお話を伺った。

左から、株式会社阪神コンテンツリンク 柴崎正弘氏、エンジニア 大坪優季氏、イースペック株式会社 大薗淳二氏

大阪の成功が、銀座での"3面へのこだわり"を生んだ

(写真 ©HIRAKUZA)

大阪店では16:9のシングルスクリーン構成でスタートし、シンプルな映像演出で運営していたが、銀座進出にあたって映像演出の強化を検討したという。「大阪と違う形で何かしたい、3面スクリーンだけは譲らなかった」と柴崎正弘氏。
3面のLEDディスプレイをベースにシステムを構成するには、画質を保つためにベースとなる解像度は4Kが前提となり、その上で映像信号をどう管理するかが設計上のポイントとなる。従来のHDスイッチャーを複数台組み合わせるシステムでは、機材点数の増加、障害発生リスクの上昇、オペレーションが複雑になるといった点が課題となるが、それらをクリアするためにイースペック株式会社の大薗淳二氏が注目した機材がVR-400UHDだったという。
大薗氏は「4Kに対応した設備向け機器は価格が一気に跳ね上がるケースが多い。VR-400UHDはコスト面でも非常に優秀で、しかもコンパクト。オペレーションブースのスペースが限られたレイアウトにも対応でき、非常に便利」と語る。
VR-400UHDは、HDMI入力に内蔵されたスケーラーにより4K/HD・HDR/SDRといった異なるフォーマットにも柔軟に対応する。また、画面合成機能も充実しており、4Kの画面上に3面LEDビジョン用映像と補助ディスプレイ用映像をレイアウトして一元管理する運用を行っている。

「誰でも使える」を実現するシーンメモリー機能

日楽座の運営において重視されたのが、「使う人を選ばない」オペレーション設計だ。
「日々の状況に応じてオペレーターを問わず使える必要がある。ワンプッシュで操作ができるものを選んだ」(大薗氏)。
そのニーズを満たしたのがVR-400UHDのシーンメモリー機能だ。入力ソースの切り替えと画面レイアウトの設定をシーンに登録しておけば、ボタン一つで最適な設定へと切り替え可能だ。タッチモニターから8つのシーンを一覧しながら呼び出せる、直感的なUIが現場での安心感につながっている。

タッチモニターでシーンを呼出し

4Kの画面上に3面LEDビジョンに表示する横長の映像と、補助モニターに表示する16:9の映像をレイアウト

映像・音響オペレーターの大坪氏も「基本はシーンメモリーだけで完結するようにしていると話す。電源投入後すぐに安定した映像が出力される状態が構築されている。貸し切りイベントなどで、ノートPCが持ち込まれる場面でも、センター画面にのみ投映しながら左右にはロゴをループ表示させるなど、汎用的に使用できる画面のレイアウトをシーンとして事前登録済み。「複雑な操作をしなくてもシーンボタンを押すだけで切り替わる」という安心感が、日々の現場を支えている。

機材への信頼が、演出への集中を生む

大坪氏はもともと音響エンジニアとして、ローランド製品に触れた経験があった。「ローランドの機材に慣れているスタッフは現場に多いので、お任せしやすい」と語る。柴崎氏も「ローランドはすっと馴染む」と同調する。

公演中には演者の力士から「このタイミングで映像や音を出してほしい」というリクエストが届くこともある。映像システムが安定しているからこそ、オペレーターはその細部に集中できる。大坪氏は言う。「安心して機材は使えるので、現場でいろいろリクエストがあっても焦らずに対応できる」。「VR-400UHDに機能がまとまっているので、一台を調整することで対応できる。それは現場としてすごく楽」と大坪氏は率直に評する。

相撲という伝統文化と、4K映像演出という現代のテクノロジーが銀座の一室で交差する。その舞台裏を支えるのは、現場に最適な形で組み上げた、シンプルかつ堅牢な映像システムだった。

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