人気ストリーマーSHAKAの安定配信をV-160HDとBRIDGE CASTがサポート

日本を代表する人気ストリーマーとして活躍するSHAKA(シャカ)。
2023年9月にRed Bullの協力によって専用の配信部屋"SHAKA's Gaming Room"が完成した。
彼の遊びゴコロを目一杯に詰め込んだ空間には、数々のゲーミングデバイスやコレクションが並んでいる。
そんな配信部屋には、4台のカメラが設置され、手元のiPadでアングルを切り替えができるライブ配信システムが構築されている。

shaka

人気ストリーマー・SHAKA ©︎ Jason Halayko / Red Bull Content Pool

SHAKA専用のゲーミングルームを制作した株式会社グルーブシンク代表の松井悠氏、ディレクションを担当した戒能氏、テクニカル面のサポートをされている山名氏の3名に、機材選定のポイントについてお話を伺った。

右から株式会社グルーブシンク 代表の松井悠氏、戒能誠介氏、山名将大氏


ー今回、グルーブシンクさんで"SHAKA's Gaming Room"を構築されたということですが、御社の日頃の業務について教えてください

松井氏: グルーブシンクは、2002年に設立したデザインとイベント運営の会社になります。
日本でのeスポーツの注目度がまだ高くない2009年ごろからeスポーツ事業を立ち上げ、2012年にスタートした5ゲーム5ジャンルで行われる東西対抗戦のゲームイベント「Red Bull 5G(レッドブル・ファイブジー)」の運営や、東京・中野にある「Red Bull Gamin Sphere Tokyo」の運営サポート、国体の文化プログラムの配信など数多くのeスポーツプロジェクトを手がけています。

ー"SHAKA's Gaming Room"の制作がスタートした背景について教えてください

松井氏:SHAKAさんとは、彼がプロゲーマーだったころから、ゲーム大会の運営などを通じての関係がありました。実は、今回のプロジェクトメンバーである弊社の戒能が、プロゲーマー時代にSHAKAさんとチームメンバーだったという縁もあって、プロジェクトに繋がっていったという背景があります。

戒能氏:配信専用の部屋を作りたいという話は4−5年前から聞いていました。以前は、楽器演奏用の防音ルームを使っていたのですが、今回のゲーム配信部屋につながる理想的な環境づくりのお話は何度かありました。

ー本格的にプロジェクトがスタートしたのはいつごろですか?

戒能氏:2022年の12月頃でしたね。SHAKAさんとコミュニケーションを取りながら、具体的な空間作りや機材構成などを考えていきました。
これまで、数多くのイベントで空間演出やシステム構築をしてきましたが、ほぼ365日配信、しかも10時間近い長時間のライブ配信のために稼働するシステムを作るのは初の試みだったので、色々と試行錯誤しながらのプロジェクトとなりましたね。

ー工夫された点や苦労された点などは、どういったことがありますか?

松井氏:まず、ストリーマーにとって、どんな机が良いのかから始めました。大型のゲーミングマウスパッドが置けることはかなり重視して設計しています。家庭用ゲーム機からPCゲーム、スマートフォンまで多数あるゲームハードの接続など、今後の拡張性なども考慮しました。

戒能氏:基本的に毎日配信をされているので、配信できる環境はキープしながらの進行をする必要があり、工事や切り替えのスケジュール管理の面では苦労しましたね。

V-160HD設置

V-160HD本体は機材ラック内に設置されている©︎ Jason Halayko / Red Bull Content Pool

ー今回、スイッチャーにV-160HD、音声ミキサーにBRIDGE CASTを採用されていますが、機材選定のポイントについて教えてください

山名氏:我々もイベント現場でローランド製品を使用していることもあり、直感的な操作性と機材の安定性という点から製品の選択をしました。

PCやゲーム専用ハードだけでなく、タブレットやスマートフォンなど色々な端末を接続することを考えると、様々な解像度やフレームレート、画面比率の映像信号を入力できるV-160HDを選択しました。 4台のカメラとの接続もSDI入力があるおかげで、自由度高く部屋の色々な場所にセッティングすることができました。

配信画面レイアウトは、V-160HDのPinP機能を使って、ゲーム画面とカメラ映像を合成しています。これまでのPCのソフトウェア上と同じような配置もV-160HDであれば可能なので、SHAKAさんの意見を聞きながら細かな位置やサイズを調整し、プリセットに保存して手元のiPadで操作できるようにセッティングを行いました。

SHAKA回線図

カメラはSDI、ゲーム機はHDMIで接続されている

BRIDGECAST

ワンマンオペレーションのために手元に操作系はまとめられている©︎ Jason Halayko / Red Bull Content Pool


戒能氏:視聴者は配信しているゲームの内容についてだけでなく、部屋に置いてある様々なグッズを見てコメントをすることもあります。そういった視聴者とのコミュニケーションの促進を考えると、カメラ台数を増やして視聴者にオッと思わせるアングルを増やすことは重要なポイントでした。また、配信中は完全にSHAKAさん自身によるワンオペなので、手元のiPadとBRIDGE CASTで映像と音声をコントロール出来るのもポイントでした。

山名氏:音声のミックスに関してはBRIDGE CASTを使っていて、ライブ配信の音声と本人がモニターする音声を別ミックスで簡単に作れるのがポイントですね。
PC上のDiscord(*)でボイスチャットをしながら、ゲストを招き入れたりする際にも、BRIDGE CASTのつまみを回して音量の調整が直感的にできることが大事でした。 サポートやレクチャーのしやすさという点も機材選定の上では重要だと考えています。

*Discord: ゲーマーの間で一般的なボイスチャットアプリ。多人数で行うゲームでは非常に重要

松井氏:ストリーマーの世界って、仕事として始めた人は居なくて「楽しいからやっていたら仕事になっていた」という人がほとんどなんですよね。
サポートする側としても「楽しいからやる」というゲームの本質部分を維持しながら、「安定している」ことの両立を考えて構築していくことが重要だと考えています。一方でビジネスとしてのゲーム配信の需要も増えており、グルーブシンクとしてもサポートをしていきたいですね。

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