eSports大会を企画、運営するプロを育てる専門学校の取り組み 神戸電子専門学校 様 https://www.kobedenshi.ac.jp/ 神戸電子専門学校は、2023年に創立65周年を迎えた日本で最も歴史あるIT系専門学校です。2022年に開設されたesportsエンジニア学科は、コンピュータゲームをスポーツ競技として捉えるeスポーツ業界において、業界が求める技術を習得し、企画・運営のスペシャリストを育成することを目的としています。 2023年夏、神戸電子専門学校内にある「ソニックホール」では、学生主体による学内eスポーツイベントが開催されました。このイベントでは学生が企画、運営を担い、主体的に他学科と連携し、司会・解説から撮影・演出などを手がけました。 数ある校舎の中でもレコーディングスタジオやホールを備えた「北野館」 ——大会運営の背景や映像音響機器の選定などについて、神戸電子専門学校 esportsエンジニア学科の高 孝成先生、小林 亮介先生にお話を伺いました。 小林氏:1年次に学生全員が自分の企画をプレゼンテーションする機会がありまして、そこから具体的な企画にブラッシュアップしていき、企画・演出を担当する学生と技術面を担当する学生とに分かれていきます。 企画・演出は大会の企画やルール設計などの考え方を学びながら、実際の運営に生かしていくチーム。技術面では、実際の現場で使用されている業務用のミキサーやスイッチャーなどの操作も覚えていきますし、その中で、カメラワークや演出効果なども学生同士で話し合いながら決めていく形です。 高氏:学生のみんなには、プロが実践しているイベント現場や中継映像で、「かっこいいな」「面白いな」と思ったら、自分がなぜそう思ったのか、という理由を考えることが大事と伝えるようにしています。 小林氏:今の学生には参考になる映像が沢山ありますから、それを見ながらカメラワークやスイッチングの方法を身につけている側面も大きいと思います。 ——学校に機材があることで学生が考えた方法をすぐに試すことができる環境があるということですね。 小林氏:そうですね。授業中だけでなく放課後にも自分たちで触っていることも多いです。今回の大会でも使用したRoland製品の場合は、マニュアルに情報がしっかりと載っているので、マニュアル片手に機材を試している様子を見ることが多かったです。 ——ステージ演出に使用した機材構成について教えてください。 小林氏:VR-120HDをメインスイッチャーに採用し、会場ステージ前のオペレーション卓にメインスイッチャーを含む各種機材を配置しました。 実際にゲームをプレイする部屋は、V-160HDを別フロア用のスイッチャーとして使用しています。 合成処理やタイトル素材の再生などについては、OBSなどのソフトウェアを使用して運用しました。 VR-120HDでは、音声も同時に扱えることやSDI入力も使えることがポイントになっています。敷設するケーブルもシンプルに出来る点が大きかったですね。 ゲームプレイの別室の映像はV-160HDを使用。メイン会場のVR-120HDへ出力 ——役割ごとで座席が決まっているなど、オペレーションの形も実践的でした。 小林氏:そうですね。私自身が、esportsイベントのディレクターとして数々のイベントを手がけて来たこともあり、実際の現場に近い形でのスタッフや機材配置などは意識しています。 ——学科名がesportsエンジニア学科と、「エンジニア」に特化した名称になっています。 高氏:私自身は、ゲーム開発が専門分野になりますが、本校にはゲーム開発の専攻もあるので、esportsの専攻を作るとなった時に、プレイヤーを育てるのではなく、ゲーム業界との新しい関わり方を学生と一緒に考え、生み出すような学科を作れたら良いと考えていました。 esportsの大会運営には、ゲーム自体の理解はもちろんですし、映像や音声、配信やネットワークなど様々な技術的な知識が必要になります。一人で全てを覚えることは難しくても、仲間と共に全体像を理解することで、これからのゲーム業界に必要な人材が育っていけると考えています。 ——機材面では、一年次からスイッチャーなども操作するのですか? 小林氏:一年次は、機材に初めて触る学生も多いので、Roland V-1HDを使用して基本的な操作を覚えてもらうようにしています。そこで、実際の機材を操作することで、興味をもった生徒が機材周りを担当していくようになっていますね。 ——P-20HDも導入されたと伺いました。 小林氏:まだ実践では投入していませんが、今後活用を予定しています。 今回の大会でもゲーム実況と解説が入っていますが、そこにプレイ動画のハイライトをリプレイしたり、スロー再生などを簡単に出すことができれば、演出の幅も広がりますし、実際の機材を触ることで出てくる学生からのアイデアにも期待したいですね。 急成長を続けるeスポーツ業界では、スタープレイヤーやチームに光が当たりがちですが、業界の継続的な成長を支えるためには、企画・運営などを担うエンジニア・スタッフ側人材の育成が必要です。映像、音声、ネットワークなど幅広い技術分野をカバーするeスポーツ分野だからこそ、実際の機材に触れながら実践する環境整備が重要といえるでしょう。 使用製品 VR-120HD V-160HD P-20HD V-1HD お問い合わせ 製品に関するお問い合わせ、デモのご要望など、下記フォームよりお問い合わせください。 お問い合わせ