年間3,000件の配信を手掛けるプロの機材活用ノウハウ ~ 株式会社Jストリーム 法人向けインターネット動画配信の第一人者である、株式会社Jストリーム様に、書面にてローランド製品の活用についてインタビューにお答えいただきました。 1. 現在、主にご使用いただいている製品 【1】VC-1-SC 【2】XS-1HD 【3】V-60HD 2. それぞれの製品で評価いただいているポイント、活用いただいている機能 【1】VC-1-SC 【評価しているポイント】 幅広い入力信号に対応し、素直に変換が可能であること。また、コンパクトで堅牢、故障も少なく現場での信頼性が高い。 【活用している機能】 PCの映像出力をSDI信号に変換してスイッチャに入力する用途で非常に頼りにしています。Web講演会のライブ配信現場で講演用のPCの映像をビデオスイッチャに取り込むために使用しています。講演会では講演者がPCを持ち込むことが多く、持ち込まれるPCの事前の疎通確認や設定変更が難しい場合もありますが、VC-1-SCは短時間でセッティングを完了して指定したフォーマットで映像を出力させることができ、細い罫線が多用されたスライドや色味がセンシティブな映像も忠実に変換されるため重宝しています。 そのほかの場面でも非常に用途が広いため、お守りとして1つ必ず現場に置いておきたい存在になっています。 【2】XS-1HD 【評価しているポイント】 PbyPの画面レイアウトを組みつつ、それぞれを簡易にスイッチングできる機能性。1台3役で多方面に活用ができること。 【活用している機能】 主な用途としては「SPLITモード」を使用したPbyPレイアウトの作成です。企業社内の説明会のライブ配信などで「カメラ映像+スライド資料」というご要望があり、このような案件でXS-1HDを使用しています。単純にPbyPを組むだけでなく、「余白部分(背景)にロゴやアジェンダなどを表示」「ライブイベント前後に静止画を全画面表示」「カメラ2台をスイッチング」「スライド資料が2系統」などの幅広い要望を1台で実現でき、使えば使うほど幅が広がる自由度の高さがあります。 筐体もコンパクトなため、多言語同時ライブ配信で数台並べてもスペースを圧迫せずに済む点も助かっています。 【3】V-60HD 【評価しているポイント】 入出力の仕様が妥当で本体パネルでの操作が直感的であること。PGMに連動するAUXバスを使用して柔軟な出演者返しモニタ系統が構築できること。i/p変換を意識せずに混在できること。 【活用している機能】 コンパクトで使い勝手がよく、ライブ配信現場広範で使用しています。Web講演会のライブ配信現場ではSDI出力のカメラと講演用PCの出力映像をスイッチングしています。Web講演会の現場では視聴者向けにVTRを放送しつつ同時並行で出演者向けのリハーサルを実施する必要があり、AUXバスを使用して本線とは独立してスイッチングをおこなって簡易的なリハーサル用途で活用しています。上段にスイッチャとミキサーが入る規模の大きい案件では映像音声の最終調整と本番前後の静止画挿入に1台で対応でき、本番中のオペレーションもシンプルになるため助かっています。 3.どのような内容、規模の配信業務が多いですか(クライアント様の業種、カメラ台数、マイク本数、パソコン台数など) 業種は多岐わたりますが、現在最も多いのは医薬業界でのWeb講演会配信の業務です。 講演が主体となり動きも少ないため、カメラ台数は1台から多くても3台程度。 出演者も多くはなく、講演者・座長・ナレータ程度なので、マイクも3本程度。 パソコンについても、講演用のものと、進行用スライド画像の送出用程度となり 3台~5台程度になります。 また、医薬業界以外でも、エンタープライズ企業様の企業内/外のイベント配信や、 株主総会や決算説明会、また、エンターテインメント系では音楽ライブ等の業務も増 加傾向にあります。これらについては、イベントの内容・配信仕様により、カメラ・マ イク・PCの台数等にはかなり差がありますので、一概に数値化することが難しいです。 4.コロナ禍で配信業務は増加していると思いますが、2020年は何件ぐらいの配信業務を行われる見込みでしょうか コロナ禍における配信案件数は急激に増加しており、10月時点では月間で300件程度の配信を実施しております。2020年全体では3000件程度となるのではないかと思います。 5.コロナ禍で、配信業務の内容が変化したような事はございますか? テレビなどでも行われている、「リモート」配信の形態は増加しています。 コロナ感染拡大以前は、ライブ中継を行う会場に出演者の方に集合いただいて配信を 行っておりましたが、出演者の方の移動時の感染リスク回避や、複数名が集合することによる密状態の回避のため、ライブ配信拠点一か所に集合せず、映像伝送システムやWeb会議システムを用いて、遠隔地からの出演者映像をライブ配信拠点に集約して、そこからライブ配信を行う、という形態です。 6.標準的な現場では何人ぐらいのスタッフで運用されていますか 先にあげた、医薬業界でのWeb講演会の現場では、4名程度で運用しております。 (配信技術以外のお客様のアテンド等を行うサポートスタッフも含んだ人数です) 7.機材のバックアップの準備、ネットワーク回線の状況確認など、トラブルが起こらないように特に注意している点や、プロならではのノウハウはありますでしょうか 配信会場は全国各地になるため、機材の予備(コールドスタンバイ)は必ず用意しています。VR-50HD MKIIのようなオールインワンの機材は細々とした周辺機器を減らすことができるので、予備機材やケーブル類が削減できて便利です。 配信自体はインターネットを利用することもあり不確実が大きいので必ず冗長構成とし、インターネット回線も有線回線を2本用意することが多いです。弊社の配信プラットフォーム利用時は視聴プレーヤーや配信サーバでフェイルオーバーする体制としており、YouTubeなど同様の構成が可能なプラットフォームを使用する場合も必ずバックアップサーバを利用します。PCベースの配信エンコーダを使用する場合はネットワーク回線の疎通チェックを常に実施しており、障害が発生した場合にローカルネットワークの問題なのか、もっと上流の問題なのか瞬時に切り分けが可能な体制をとっています。 ライブ配信の現場は常に臨機応変が求められるため、機材面や配信の安定性などでストレスを抱えないことが重要だと考えています。当日持ち込まれるPCとの相性問題や台本の変更はどうしようもないため、配信の冗長構成や安定した機材の用意など事前に準備できることで可能な限り不安を排除できるように意識しています。 8.今後の御社の取り組みと、それに伴って機材に期待すること、ご要望などございましたら教えてください ライブ配信が一般的になり、多くのご用命をいただく状況となっています。 現場の数が増えていく方向になるため、機材の安定性はそのままにシンプルで小型軽量なシステムが必要になると考えています。HDMIベースの機材の小型化低価格化が進んでいますが、接続の安定性という点ではSDIが勝る点がまだまだ多く、小型軽量な機材のラインナップにSDIベースの製品が増えてほしいと感じています。 使用製品 VC-1-SC XS-1HD V-60HD お問い合わせ システムに関するお問い合わせは、こちらから。 お問い合わせ Solutions Top SRT SRT Setup Guide 導入事例(製品カテゴリー別) ビデオ・スイッチャーAVミキサービデオ・プレーヤーコンバーターオーディオ 導入事例(業種別) メディア掲載 ビデオ・ミキサーAVミキサービデオ・プレーヤーオーディオ