VR-6HD活用で地域企業が挑む動画配信スタジオ運営

株式会社平井板金

https://hiraibankin.jp/
平井板金

株式会社平井板金は、埼玉県加須市に本社を構え、創業80年以上の歴史を持つ屋根・外壁リフォームの専門会社である。地域密着型の経営で、一般住宅から公共施設、工場など幅広い建物の屋根工事・外壁工事・板金工事を手がけている。職人の育成や地域貢献にも力を入れ、地元に根ざした信頼と実績を積み重ねている。
今回、事業再構築補助金を活用し、動画配信スタジオ「Connect Lab」を2025年5月にオープンした。このスタジオ構築を決めた平井千寿生社長と、スタジオ運営を担当する平井昭寿専務に、スタジオ構築を担当したプロ機材ドットコム社を交えてお話を伺った。

平井板金

平井千寿生社長(写真右)
平井昭寿専務(写真左)

平井板金での動画活用

—— 平井板金さんでは、以前からYouTubeを活用した情報発信に力を入れられているとのことですが、動画配信はどのように役に立っているのでしょうか?

平井千寿生氏:今のお客様の半分以上がYouTubeを見たという方たちです。集客にも繋がっていますが、YouTubeによって業界の中でも、平井板金は全国的にも知られるようになりました。
先日、弊社で(オフラインの)勉強会イベントを開催したのですが、九州など遠方からもわざわざ来てくれる方がいました。この業界では、まだまだSNSを活用して仕事を取れている方は少ないです。だからこそ、業務として仕事が取れているのであれば、動画配信やSNS施策に注力していこうと考えています。

—— 一般的なイメージですと、板金や屋根の仕事をされている業種は、大体その地域ごとにある程度の商圏があって、その中だけでやられているイメージでした。

平井千寿生氏:それに近いですね。一般的にはその地域で完結することが多いですし、当社でもほとんどは地元の仕事です。ですが、ネット媒体に特化していくと、その枠を超えることができます。板金工業組合の全国大会などでも、「平井板金YouTube見ています」と声をかけられることがあります。仕事に関しても、車で移動できる範囲、1時間くらいのエリアが得意ですが、2時間かかる場所からも普通に問い合わせがあります。だから動画配信をうまく活用して、仕事の機会を少しでも増やしたいと思っています。リフォームや屋根の修理は、一度修理したらすぐにリピートすることはなく、20年30年と持ちますので、新規のお客様を獲得しなければなりません。今はネット媒体、SNSやライブ配信を活用して、仕事が自動的に入ってくる仕組みを作ろうとしています。

—— 今回作られたスタジオは自社の動画配信だけでなく、レンタルスタジオとしても活用されるのですか?

平井昭寿氏:平井板金のYouTubeやSNSを通して多くの方とのつながりができてきたので、もっと新しいことに挑戦できるのではと考え、今回、動画撮影のレンタルスタジオという新事業を立ち上げました。事業としては利益も大切ですが、職人としては動画を通じて様々な人とのつながりを持てることに価値を感じています。
動画を通じて工事事例を細かく説明し、納得して依頼していただくこともありますし、職人の育成に関するメッセージを発信することで人間味や志が伝わり、信頼して工事を依頼してくださる方も増えました。ホームページだけでは伝わらないものが動画では伝えられると感じています。

オープニングセレモニーには多くの地元取引先が参加し、ほぼ全員がYouTubeライブにゲスト出演してくれた

誰でも無理なく使えるスタジオを目指す

VR-6HDを中心とした機材構成


プロ機材.com:Connect Labはプロの配信事業者が使うためのレンタルスタジオではなく、利用者のほとんどが平井板金のスタッフさんや一般企業の方ということ。なので、なるべく一般の方が無理なく使えるようにRoland VR-6HDを中心とした機材構成にしました。このAVミキサーは、1台でオーディオミキサーとビデオミキサーを兼ねており機材が少なくて済むこと、プロじゃない方でも使えるような工夫が詰まった機材です。
どんなコンテンツ配信をしたいかお伺いしたところ、2~3人のトーク番組が中心なので、シンプルにカメラの切り替えさえできればいいというご要望でした。

ビデオカメラ3台をVR-6HDで切り替える


平井昭寿氏:最初はスイッチャーで映像を切り替えて、OBSなどのソフトウェアを使って配信するのかと思っていました。ところがこれ1台でカメラ映像の切り替えだけでなく、配信や録画も簡単にできるのでとても便利ですね。

プロ機材ドットコム:最初のオープニングセレモニーのライブ配信で、まずはVR-6HDでどんなことができるのか平井専務とご一緒に試しながら、コンテンツの基本形を作っていきました。演者カメラの切り替えだけでなく、PCソースから写真やVTR動画の挿入をしたり、PC画面と演者ワイプの合成をしたりしました。それらの合成設定はシーン・メモリーに登録して、簡単に呼び出せるようにしました。また、こうして作成したシーンをすべてiPadアプリVenuSetに登録して使ってもらったことで、誰でもミスなくオペレーションできるシステムを構築しました。

台本に沿った設定をシーン・メモリーにあらかじめ登録

プロ機材ドットコム:また、オープニング配信時は、Rolandの無償ソフトGraphics Presenterを使用してテロップ合成を行ったのですが、そこまでは丁寧にレクチャーできませんでした。しかしそのあとのConnect Labさんのライブ配信を拝見したら、早速Graphics Presenterを使ってテーマテロップを入れられていて、驚きました。最初は最低限のカメラ切り替えだけというお話でしたが、すぐにPinP合成やテロップ合成などを駆使して工夫した画作りをされていて、こちらの想像を軽く超えてきました。

テロップ合成にGraphics Presenterを活用


平井昭寿氏:やることが多いので、チェックの手を抜くとすぐにミスをします。先日の配信でも、最初ワイプ(PinP)が出っぱなしでした。

プロ機材ドットコム:PinP合成は出したりしまったりが難しいですよね。そういう失敗をしないためにVenuSetを活用すると良いと思います。あらかじめ、使う合成やシーンを登録しておけば、ミスを防げます。

Venuset

VenuSetに使用シーンをすべて登録しておくと良い

Connect Labの目指すところ

平井千寿生氏:スペースさえあれば携帯でも動画は撮れますが、やはりクオリティを保つことが企業イメージにもつながるため、きちんとした機材で質の高い配信をしたいと考えています。型が決まってしまえばプリセットなどを活用して、負荷を下げて継続できそうです。

プロ機材ドットコム:企業配信においては、編集不要なライブ配信で週1回配信するなど負荷のかからない方法で、高頻度で継続することが重要だと思います。ライブ配信は忙しい企業が低負荷でできる発信方法であり、視聴者とダイレクトにやり取りできるのも魅力です。

平井千寿生氏:後は地元企業さんをご紹介したり、お隣の神社と連携してお祭りなどの配信をしたり、地元特産品をライブコマースで販売したり、地域密着型のライブ配信をどんどんやっていきたいです。

VR-6HDやGraphics Presenter、VenuSetを活用することで、プロでなくてもクオリティの高い配信ができるようになった。地元の魅力や人々の想いを自分たちで発信し、動画配信を通じて地域全体の活性化につなげていく―そんな地域のハブになるようなスタジオを目指している。

平井板金YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/@hiraibankin

Connect Lab YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/@ConnectLabStudio

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