六本木のライブハウスの映像演出をローランドのAVミキサーがサポート

GT LIVE TOKYO

https://gtlivetokyo.jp/
GT LIVE TOKYO

六本木駅から徒歩3分という立地にライブハウスGT LIVE TOKYOがオープンした。
ライブ専用に新築で設計された空間には、ステージ背面の大型LEDビジョンを始めとする、充実した映像音響システムが設置されている。

[ステージ背面には全面LEDビジョンを設置]

ミュージシャン視点の工夫が随所に見られる空間

株式会社GT MUSICは、埼玉県川口市で現役プロミュージシャンによる音楽教室「GT MUSIC SCHOOL」とリハーサル・スタジオSTUDIO GTを運営しており、系列店として2024年6月六本木にGT LIVE TOKYOをオープンさせた。
建物は地下1階から地上3階の4階層で、地下1階と地上1階がGT LIVE TOKYO、2階には飲食店、3階はGT MUSICのオフィスとなっている。GT LIVE TOKYOのスタッフ全員が現役プロミュージシャンとのことで、ステージ上の楽器や機材類へのこだわりや、奥行きが広く取られたステージのレイアウトなど様々な工夫がある空間となっている。

[奥行きのあるステージで楽器配置の自由度も高い]

4K映像演出とライブ配信・収録を2台のAVミキサーにより実現

LEDビジョンによる映像演出からライブ配信、収録まで対応するシステムについて、設計を担当したヒビノ株式会社を交えてお話を伺った。

[ヒビノ株式会社 福田隆一氏 GT LIVE 町田孝氏 GT LIVE 佐野元則氏 ヒビノ株式会社 雨宮晃史氏]


—— 天井から吊られたラインアレイスピーカーに、背面の大型LEDビジョンなど、これまでのライブハウスでは考えられない規模の機材構成だと思いました。

GT LIVE町田氏:GT MUSICのモットーが「楽しくてどーしようもない」なんですが、ステージで演奏する人もお客様も音楽の楽しさを感じられるようなライブハウスを作ろうということで、音響や映像の機材選定と施工をヒビノさんにお願いしました。

—— 機材選定については、細かいリクエストなどがあったのでしょうか?

ヒビノ雨宮氏:細かなリクエストというよりは「これまでにはないライブハウスを作って欲しい」というオーダーから、最適な機材を選択していきました。ライブ配信が出来ること、自由度の高い映像演出が出来ることなどのキーワードは出ていましたね。

ヒビノ福田氏:ステージ背面の4K対応LEDビジョンの映像送出用にVR-400UHDを選定しました。シーンを呼び出すことでカメラや動画素材などの切り替えを簡単に出来るようにしています。一方でVR-120HDでは配信、収録向けにカメラ映像のスイッチングを行いつつ、ライン音声とアンビエンスマイクのミキシングを行うようにしています。
それぞれの機器の役割を明確に分けることで、操作ミスを防ぐようにしています。

[2台のAVミキサーを使って映像演出、配信、収録に柔軟に対応できるシステムを構築]

ヒビノ雨宮氏:イベント業界のオペレーターさんには、ローランドの製品ユーザーが多いので、VR-120HDを選んでおけば乗り込みで利用してくれるオペレーターさんにも活用してもらえるだろうなと考えて選びましたね。

GT LIVE町田氏:VR-400UHDではあらかじめ保存しておいたシーンを呼び出す使い方をメインとしていますが、シーンの設定を変更する時も、本体液晶のタッチパネルで直感的に操作できるので、現場ごとのリクエストにも応えやすいですね。

[操作を行う町田氏]


持ち込み機器にも柔軟に対応できるシステム

—— VR-400UHDとVR-120HDの使い分けについて、詳しく教えてください

ヒビノ福田氏:VR-400UHDはLEDビジョン演出用として設置しているので、お客様が持ち込んだPCからイベントのモーションロゴを流したり、PVを再生しながら演奏をしたりという用途に対応できるようになっています。最近は映像と組み合わせての演奏というのが当たり前になってきていますので、用意した素材と常設のカメラ映像を組み合わせての演出ができるようになっています。VR-400UHDでは、シーンの切り替えによって楽曲に合わせた演出がしやすいのがポイントですね。

ライブ配信用にVR-120HDを導入したポイントとして、3G-SDIの入力など豊富な入力端子と対応する映像フォーマットが多いこともあります。施設内の様々な箇所に映像信号用の伝送回線が用意してありまして、お客様が持ち込みのカメラやパソコンの映像をVR-120HDへ入力してもらうことも可能で、拡張性のあるシステムとなっています。イベントの内容に応じてVR-120HDの操作性を活かした配信や収録を実施できるようになっています。

GT LIVE町田氏:映像はVIPエリアにあるディスプレイ、バーカウンターにあるディスプレイなど施設内に伝送されており、VR-120HDのAUX出力を使って複数のディスプレイに表示する映像を簡単に切り替えることが出来るので便利です。出来ることが多くて、まだ使いこなせていない部分も正直ありますが、 GT LIVE TOKYOだからこそ出来る演出方法はたくさんあると感じています。

[VIPエリアに設置されているディスプレイ]

AVミキサーの機能を活用し様々なイベントの演出に対応

—— このシステムを活用したイベントで印象に残っているものはありますか?

GT LIVE佐野氏:2部制で行ったイベントで、第1部のライブ演奏を収録しておき、第2部で本人の解説付きで映像を上映するというスタイルで行ったことがあります。VR-120HD本体のみで収録から再生まで出来ることで実現出来た例ですね。この時は、新しいアフタートークのあり方が提示できて、面白かったですね。

GT LIVE町田氏:音楽ライブ以外にも企業様への貸し切りでハイブリッド形式のプレゼンテーションイベントを実施してもらったことがあります。発表する人がステージに上がって、審査員が客席に並んでいるスタイルで、映像演出と組み合わせて好評なイベントでした。

ヒビノ福田氏:LEDビジョン自体の解像度に余裕があるのでフルHDの画像をVR-400UHDを使って自由にレイアウトすることで、プレゼン資料を演者に被らないように配置できます。しかもカメラと組み合わせた演出も行えます。音楽ライブ以外でも色々と使われたら面白いなと思っています。

[特注の金具を使って立体的に2台のAVミキサーを設置している]

新時代のライブハウスGT LIVE TOKYO

GT LIVE TOKYOでは、AVミキサー2台と、映像伝送を組み合わせた柔軟性、拡張性の高いシステムによって、映像演出とライブ配信、収録、施設内の映像伝送までを省スペース、コンパクトに実現している。
「これまでにはないライブハウスを作る」を実現するために選定された高機能な機器、それを活かすためのシステム設計が組み合わさって、新たな時代のライブハウス像を感じさせてくれる空間となっていた。

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