AVミキサー「VR-1HD」を使ったライブ配信手順

AVミキサー「VR-1HD」を使ったライブ配信手順

はじめに


近年になって、イベントや発表会などをインターネットで実施するライブ配信のニーズが高まっています。会社規模を問わずさまざまな企業が、自社の発表会をライブ配信に切り替えたり、ライブ配信のイベントを実施しています。

ライブ配信はスマートフォンが1台あれば始めることができますが、スマートフォンでの配信は手軽な一方、会社の発表会やセミナーを実施する品質には至りません。ライブ配信では音やスライドの発表などのビジュアルが重要とされており、登壇者の声がはっきりと聞こえないライブ配信は視聴者のストレスも溜まってしまいます。

発表会やセミナーをライブ配信したい、という方の要望に応えるために、今回は企業のプレゼンテーションをライブ配信するという例で、ローランドのAVミキサー「VR-1HD」を使ったライブ配信の手順を紹介します。


機材


ライブ配信は使用する機器や構成によって多彩な配信が可能ですが、今回は以下のような配信環境を想定しています。

-YouTube Liveを使ったライブ配信
-登壇者は1~2人。1人が司会者でもう1人が登壇者、または2人が話すトークイベント
-パソコンを使ってPowerPointの資料や動画などを映す

このような環境を実現するために必要な機材は以下の通りです。すべて新しく揃える必要はなく、オフィスにあるものがあればそれも活用しましょう。

ライブ配信に必要な機材

- ビデオカメラ(1台)と三脚
- パソコン(2台)
- マイク(2本)
-スイッチャー(1台)
- ディスプレイ(1台)
- ヘッドホン/イヤホン(1〜2台)

機器の構成図

また、ライブ配信のためにYouTubeのアカウントも作成しておいてください。


機材について


新しく機材を購入する人のために、機材のポイントをまとめておきます。


ビデオカメラ
出演者を映すためのビデオカメラです。後述するAVミキサーと接続するためにHDMIでの出力に対応している製品を選びましょう。ほとんどのビデオカメラはHDMIに対応していますので、数万円くらいの価格帯から製品を選びましょう。
また、安定した場所で好きな角度から撮影するために三脚も用意しておくと便利です。

HDMIに対応したビデオカメラ

パソコン
資料を表示するための資料用パソコン、インターネットに映像をアップロードするための配信用パソコンの2台を使います。

パソコンは資料表示用、ライブ配信用で2台を用意

資料用パソコンは、ライブ配信で流したい映像や資料が表示できれば十分です。普段自分で使っているパソコンをそのまま使うのがいいでしょう。

配信用パソコンは動画を扱うため、ある程度性能の高いパソコンが必要です。今回配信に使うソフト「OBS」では、パソコンの推奨環境を以下のように定めています。


■Windows
DirectX 10.1 互換のGPU
Windows 7 SP1 以降

■macOS
Intel CPU
OpenGL 3.2互換のGPU
macOS 10.11以降

■OBS Studio システム要求
OBS Japanブログ
https://obsjp.hateblo.jp/entry/OBS-System-Requirements


Windowsであれば仕事で使っていて支障のないくらいの性能、Macであればここ数年に販売された製品であれば十分です。目安として10万円くらいの価格帯であれば問題なく配信できるでしょう。


マイク

ハンドマイク。写真のマイクはXLR端子

ビデオカメラにもマイクが搭載されていますが、ライブ配信で使う場合はこうした専用マイクを使うだけで十分な音質が得られます。また、マイクにオン/オフスイッチがあると、咳き込んでしまったり、マイクを動かしたりするときに、手元で簡単に音声をオフにできるので便利です。


AVミキサー
ビデオカメラやパソコンなどの映像を取り込んで切り替えるのがビデオ・スイッチャー、マイクなどの音声を取り込んで混ぜたり切り替えたりできるのがオーディオ・ミキサーと呼ばれますが、今回使う「VR-1HD」は、ビデオ・スイッチャーとオーディオ・ミキサー両方の機能を備えたAVミキサーです。

映像と音をまとめて扱えるAVミキサー「VR-1HD」

また、VR-1HDはパソコンとUSB3.0ケーブルで接続することで、映像や音声をパソコンに取り込む機能を搭載しています。この取り込んだ映像をパソコンのライブ配信ソフトを使ってYouTube Liveで配信する、というのが大まかな構成です。


ディスプレイ
スイッチャーに取り込んだ映像の確認や、スイッチャー操作のために必要になります。HDMI入力に対応していれば性能が高い必要はありません。普段オフィスで使っているPCディスプレイやテレビなどでも問題ありません。

HDMI対応のディスプレイ。ライブ配信は機材が多くなるので、小さいディスプレイのほうが場所を取らず便利です

ヘッドホン/イヤホン
実際にライブ配信を見てくれる視聴者と同じ環境で音を確認するために必要です。視聴者と環境を合わせるという意味でもそこまで高性能なものは必要なありませんが、VR-1HDの出力音声と、実際の配信を確認するパソコンやスマートフォンに接続するものの2つを用意すると、つなぎかえる手間が省けて便利です。また、パソコン用のヘッドホンはうまくつながらないといったトラブルを回避するために有線タイプのヘッドホンを使いましょう。

音声確認用のヘッドホン

初期設定

1,接続
機材が揃ったら、実際に機器を接続して配信の準備をしましょう。VR-1HDの説明書を見ながら実際に接続してください。ここでは手順だけを説明します。
*本記事はVR-1HDを使用しておりますが、USBストリーム出力を搭載したVR-4HD、VR-50HDmkⅡでも同様の操作でお使い頂けます。

パソコン、カメラ
HDMIケーブルを使って背面の「VIDEO INPUT」の1と2に接続します。パソコンとカメラはどちらを1または2に接続しても構いませんが、メインで使う方を1に接続すると使いやすいです。

例えばセミナーでPowerPointの資料などを表示しながら配信するときはパソコンを1に、対談やインタビューなど人の顔を写すことが多い番組はカメラを1に接続します。

「VIDEO INPUT」にビデオカメラとパソコンをHDMIで接続

マイク
1つの場合は本体上部の「MIC 1」に、マイクを2つ使う場合はもう1つのマイクを左側面の「MIC 2」に接続します。ファンタム電源が必要なコンデンサー・マイクの場合は、左側面の「PHANTOM」スイッチをオンにします。

1つめのマイクは本体上部の「MIC 1」に接続
2つめのマイクは本体左側面の「MIC 2」に接続。コンデンサー・マイクを使う場合は左側のスイッチをオンにする

ディスプレイ
HDMIケーブルを使って背面の「MONITOR」端子に接続します。

speedtest.net
ディスプレイは「MONITOR」に接続

   

ヘッドホン
左側面のPHONE 端子に接続します。

ヘッドホンは「PHONES」に接続

    

電源
接続が終わったら説明書を見ながら機器の電源を入れ、映像の確認をしましょう。本体前面右下の「INPUT」を押すとソース機器の映像が切り替わります。1と2を交互に押して正しく表示されているか確認してください。

本体右下の「INPUT」で光ったボタンを交互に押して動作を確認
    

*映像が正しく表示されていない場合
カメラとパソコンが正しく表示されているかを確認し、次にHDMIケーブルが正しく接続されているかを確認してください。
それでも表示されない場合、カメラやパソコンから出力されている映像にVR-1HDが対応していない可能性があります。ローランドのサポートページを見て動作を確認してください。
Roland Pro A/V - VR-1HD | AV ストリーミング・ミキサー https://proav.roland.com/jp/products/vr-1hd/support/


2,音の設定
配信にビデオカメラを使う場合、音がマイクだけでなくビデオカメラから入力されてしまうため、音のコントロールが難しくなります。マイクを使う場合はカメラの音をオフにしましょう。

「SETUP」エリアにある「MENU」ボタンを押し、「VALUE」つまみを回して「AUDIO INPUT」を選んだら「VALUE」つまみを押します。

「SETUP」エリアの「MENU」ボタンと「VALUE」つまみでコントロール
「「AUDIO INPUT」を選択

続けてつまみを回してカメラが接続されているHDMIを選び、「MUTE」を選んでONにしたら、「MENU」ボタンを何度か押して元の画面に戻ります。これでカメラの音がオフになります。

カメラを接続しているHDMIを選択
「MUTE」をオンにする

マイク感度の調整
マイク音声が適正なレベルになるように感度(ゲイン)を調整します。ゲインが適正でない場合、フェーダーをあげても音声が小さかったり、逆に品質が悪くなってしまいます。

まずはすべての音声入力を初期状態(0dB)に合わせます。マイクのフェーダーは上から2つめの太線付近、フェーダー右下にある「MAIN」つまみは右上の点、「USB STREAM」のつまみを右上の点に合わせます。

フェーダーとつまみの初期状態位置

次につまみに囲まれた「LEVEL SETUP」ボタンを押し、本体上部の「SETUP」エリアにある「VALUE」つまみを回し、「MIC 1」または「MIC 2」を選んで「VALUE」つまみを押します。dBが変更できるようになるので、つまみを反時計回りに回して一度「0dB」にします。

「LEVEL SETUP」で「MIC 1」「MIC 2」を0dBに調整する

続いて実際にマイクで「チェック、チェック……」などの声を出しながら、使っているマイクのフェーダーの上にある「SIG/PEAK」OEDを確認します。一番大きな声を出してもLEDが赤点灯しない範囲で、「VALUE」つまみを時計回りに回してdBを上げていきます。ヘッドホンで確認して、音質が悪くならないところまで上げていきましょう。

声を出しながら「SIG/PEAK」のLEDを確認

調整が終わったら「VALUE」つまみを押してdBを確定します。マイクをもう1つ使う場合は同じように調整し、終わったら緑点灯している「LEVEL SETUP」を押して設定を終了します。


ライブ配信

・パソコンの設定

USB 3.0ケーブルを使って背面の「USB STREAM」とパソコンを接続します。パソコンが自動的にVR-1HDを認識するので、認識が完了するまでお待ちください。

USB 3.0ケーブルを「USB STREAM」に接続
パソコンが自動的にVR-1HDを認識

TIPS
パソコンのUSB端子はUSB 3.0に対応していないと正常に動作しません。お使いのパソコンの仕様を確認して、USB 3.0の端子に接続しましょう。なお、多くのパソコンやUSBケーブルは、USB 3.0が一目でわかりやすいよう、端子が青くなっています。

VR-1HDとパソコンを接続するUSBケーブルの形状。USB 3.0は端子が青色になっているものが多い
パソコン側のUSB端子も青色

続いてライブ配信ソフト「OBS」をダウンロードします。以下のWebサイトから自分の使っているパソコンに合ったソフトをインストールしてください。

無料のライブ配信ソフト「OBS」

Open Broadcaster Software | OBS https://obsproject.com/ja


認識が完了したらOBSを起動します。初回に「自動構成ウィザードを実行しますか?」と聞かれますがキャンセルしてください。

起動時に表示される自動構成ウィザードは「いいえ」を選択

OBSの画面が表示されたら、画面下の「ソース」にある+マークをクリック、「映像キャプチャデバイス」を選択します。

「ソース」から「映像キャプチャデバイス」を選択

「ソースを作成/選択」が表示されるので「新規作成」を選択して「OK」を押します。名前はそのままで構いません。

「新規作成」でOKを選択

「デバイス」をクリックして「VR-1HD」を選択、画面が正しく表示されたら「OK」で設定完了です。

VR-1HDの映像が画面に表示される

*VR-1HDの画像が表示されなかったら まずVR-1HDに接続されているディスプレイで映像が出ているかを確認してください。
ディスプレイには映像が表示されているのにOBSに表示されない場合、HDCPがオンになっている可能性があります。本体の「MENU」ボタンを押し、VALUEつまみで「SYSTEM」を選択、「HDCP」をOFFにしてください。

「MENU」から「SYSTEM」を選択
「HDCP」がONになっている場合はOFFにする

HDCPとは、不正コピーを防ぐための著作権保護技術です。Blu-ray/DVDプレーヤーなどHDCPに対応した映像機器をVR-1HDにつなぐ場合にHDCPの設定をオンにすることで映像や音声が出るようになりますが、USBでパソコンに取り込む場合はHDCPがオンになっていると映像がまったく出なくなってしまいます。


2,YouTube Liveの設定

VR-1HDの映像が表示されたらYouTube Liveの配信設定を行います。

OBSで画面右下の「設定」をクリック、左側のタブから「配信」をクリック、プルダウンから「YouTube/YouTube Gaming」を選択して「OK」をクリックします。

OBSの配信設定。サービスは「YouTube / YouTube Gaming」を選択

「ストリームキー」の横にある「リンク」をクリックするとブラウザでYouTube Liveの設定画面が表示されます。または、ブラウザを開いてYouTubeにログインした状態で画面右上のビデオカメラマークをクリックし「ライブ配信を開始」を選んでください。

ストリームキーの横にある「リンク」をクリック
ブラウザからYouTubeにログインし、右上のビデオカメラアイコンから「ライブ配信を開始」でも設定画面にアクセスできる

*3月31日現在、YouTube Liveの配信設定は従来の画面と新しい「YouTube Studio」の種類がありますが、今回はYouTube Studioで設定を紹介します。


TIPS
・YouTube Liveの種類について
YouTubeを使ったライブ配信は大きく「今すぐ配信」「イベント」の2つがあります。

「今すぐ配信」はその名前の通り、準備ができたらすぐにライブ配信を始める機能です。もう1つのイベントは事前に準備をしておき、好きなタイミングでライブ配信を始めることができます。
今回はさまざまなイベントで事前準備なども行うことを想定して、「イベント」での配信方法を説明します。


まず、YouTube Liveの配信情報を設定します。画像を参考に入力してください。

YouTube Liveの設定画面

1. 配信タイトルを設定します。今回は「配信テスト」と入力しますが、好きなタイトルを設定して構いません。
2. プライバシーを以下の3つから選択します。
 公開: 一般公開されだれでも見ることができます
 限定公開: URLを知っている人しか見ることができません
 非公開: 自分だけが見ることができます
3. 配信時に表示される説明文章を設定します。今回はテストのため特に入力しませんが、実際に番組を配信するときは番組のわかりやすい説明を入力しましょう。
4. ライブ配信のカテゴリを設定します。
5. ライブ配信の時間を予告できます。イベントの中継など配信時間が決まっている場合に利用します。
6. YouTubeの一覧などに表示されるサムネイルを設定します。特になければいったんは空欄でも大丈夫です。
7. 子供向けかどうかを選択します。子供が見る可能性があっても、完全に子供を対象とした番組でない限りは「いいえ、子ども向けではありません」を選択します。

ここまで設定したら画面下部の「エンコーダ配信を作成」を選択します。

エンコーダの設定画面

ライブ配信の遅延
ライブ配信の映像は実際の映像よりも遅延しますが、その遅延をできるだけ短くすることができます。ただし、遅延を低くした場合は後述するDVRの巻き戻し時間が短くなるほか、高画質での配信ができなくなります。
今回は配信の状況を早く確認するため「超低遅延」を選択します。

DVRを有効にする
視聴者がライブ配信を巻き戻して見ることができます。最大12時間ですが、前述する低遅延をオンにすると巻き戻し時間が短くなります。

ここまで設定が終わったら画面下部の「ストリームキー」をコピーし、OBSに戻って「ストリームキー」の部分に貼り付けて「OK」を押します。コピーした後もブラウザは閉じないでおいてください。


YouTube LiveのストリームキーをコピーしてOBSの入力欄に貼り付ける

設定が終わったらOBS画面の右下にある「配信開始」をクリックします。これでパソコンに取り込んだVR-1HDの映像と音声が、OBSを通じてYouTube Liveに送られます。

OBS右下の「配信開始」をクリック。この時点ではYouTube Liveに映像が送られるが、配信そのものはまだ始まらない。
   

YouTube Liveの管理画面に戻ってください。画面にVR-1HDの映像が表示されていれば設定は成功です。

YouTubeにVR-1HDの画面が表示される。この画面は配信前のプレビューなので実際には配信されていない。

・ライブ配信の映像と音量の確認

プレビューの状態で映像と音声の状態を確認しましょう。映像は映っているかどうかだけでなく、映像が途切れたりしないか、遅延がどのくらいあるかを確認するために、カメラの前で手を動かしたりして確認しましょう。

目で見えない音は確認がとても大切です。ヘッドフォンをパソコンに装着してから、ライブ配信とは別の動画や音楽などを聴き、パソコン側の音量を「これくらいがちょうどいい」という音量に設定してください。

YouTube Liveに戻り、プレビュー画面の音量がミュートになっているのを解除すると、VR-1HDに取り込んだ音が聞こえるようになります。ライブ配信では実際の音よりも遅延が発生するため、自分が発っした声が少し遅れて聞こえるのに注意しながら、マイクや流したい映像の音量を確認しましょう。

左上のライブ画面にマウスオーバーして音量のミュートを解除

音量が小さい場合は、本体の「USB STREAM」「MAIN」つまみをひねって調整しますが、つまみが最大になってしまう場合は「マイク感度の設定」に戻り、マイクの感度を調整しましょう。

自分で聞いている環境と視聴者の環境が違い、自分にはちょうどいい音量でも視聴者には小さい場合、音量設定がすでに最大だと音量を改善できないからです。音量は「マイク感度の調整」で説明した0dBに設定した状態で適正な音量に聞こえるのが理想です。

ライブ配信を見てくれる人と同じ環境にするため、ヘッドフォンをパソコンにつないでYouTube Liveの音を確認しましょう。ヘッドフォンを使わずにパソコンのスピーカーなどで音を確認した場合、自分はちょうどいい音量と思っていても配信を見ている人には音声が割れて聞こえることもあります。


・本番配信

画面右上の「ライブ配信を開始」を押すと実際にライブ配信を開始します。この画面は配信者が操作するための管理画面なので、視聴者に見せるURLをコピーして伝えましょう。

YouTubeの「ライブ配信を開始」で実際に配信がスタートする
矢印マークをクリックするとライブ配信のURLが取得できる

   

演出

   

-画面の切り替え(スイッチ)
本体手前の「INPUT」エリアのボタンを押してカメラとパソコンを切り替えます。赤く点灯しているボタンが現在表示されている画面で、白いボタンは映像が表示されてはいませんが、正しく映像が入力されていることを示しています。

「INPUT」のボタンを押して映像を切り替える

-2画面を1画面に表示する(PinP)
SCENEエリアのA~Eまでのボタンを押すことで、2つの画面を1つに表示できます。表示イメージはボタンの下にあるイラストを参考にしてください。元の1画面に戻すときは、SCENEのボタンを押すのではなく、INPUTのボタンを押します。

2つの画面が1つに表示されるPinP

また、初期設定ではAの場合右下にHDMI 2の映像を、Bを押すと左上にHDMI 3の映像を表示するように設定されています。表示する映像を変更したい場合は、SCENEエリアの「SCENE EDIT」ボタンを押し、VALUEつまみで変更したいボタンを選択してください。「WINDOW CH」を変更することでPinPとして表示する映像を変更できます。

「SCENE EDIT」ボタンを押して変更したいシーンを選択

「BACKGROUND CH」「WINDOW CH」で表示する画面を入れ替えられる

この設定ではPinPの表示位置などを細かく設定できます。最初のうちは初期設定で使っておき、慣れてきたら画面の大きさなどを変更してみましょう。


-マイクの音量の調整
出演者が使っている音声の音量を、ヘッドホンで確認し、フェーダーの位置を調整します。マイクそれぞれにフェーダーがあるので、出演者の声の大きさに合わせてフェーダーを上げ下げしましょう。

マイクの音量は左側のフェーダーで調節

-ライブ配信の終了
配信を終了するときは、VR-1HD右上の「ON AIR」ボタンを押すと画面と音がフェードアウトします。ON AIRのLEDが消灯したら、YouTube Liveへの映像送出が止まりますので、OBS右下の「配信を終了」を押すとライブ配信自体が終了します。

「ON AIR」を押すとYouTube Liveへの映像送出が止まる

OBSの「配信終了」を押してYouTube Liveを終了する

・VR-1HDを使ったワンランク上のライブ配信に向けて
今回はカメラ1台とパソコン1台を使ったオーソドックスなライブ配信の構成をご紹介しましたが、VR-1HDにはライブ配信のクオリティを高めるための機能が他にも搭載されています。

その1つがキー合成です。人物の後ろに映像を表示するキー合成を使えば、実際にはいない場所に人物が登場する、天気予報の前に人が立って天気を説明するといった、テレビや映画のような演出が可能になります。また、会社のロゴやテロップを映像に表示することもできます。

キー合成のイメージ

VR-1HDでは、効果音を番組内で流す機能も備えています。初期状態では拍手の音やBGMが設定されていますが、USBメモリに素材を保存して好きな音源に入れ替えることもできます。また、自分の声を変えられるボイスチェンジャー、残響音を付け加えるリバーブといった機能で番組に演出を加えることもできます。

ボイスチェンジャー機能

このほかにもマイクの音量に合わせてどのカメラを表示するかを自動で切り替える「ビデオ・フォロー・オーディオ・モード」や、音楽のテンポに合わせて映像を切り替える「ビート・シンク・モード」といった機能も搭載されています。

ビデオ・フォロー・オーディオ・モード

これらの機能を最初から使いこなすのは大変ですが、まずは今回紹介した手順に慣れてから、これらの機能も少しずつ試してみてください。



使用製品

*本記事はVR-1HDを使い操作方法をご紹介しましたが、VR-6HD、VR-120HDも同様の操作でご使用頂けます。

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