無指向性マイクと指向性マイクの2種類のステレオマイクを搭載
指向性と周波数特性は、マイクロフォンの主要な特性のひとつです。無指向性マイクは、どの方向からの音に対してもほぼ一様な感度を持ち、音の成分を低域から高域まで余さず捉えます。指向性マイクは、マイクが向いている方向からの音に高い感度を持ちます。音の成分は低域がカットされる傾向にあります。無指向性マイクは、楽器の音や残響や場所の雰囲気を豊かに録音するのに適し、指向性マイクは、2つのマイクを左右別の方向に向けることでクリアな音像と抜群のステレオ感が得られます。
R-26は、無指向性マイクと指向性マイク2種類のステレオマイクを搭載した「DUAL STEREO MIC」システムを採用。それぞれのマイクの特長を活かした録音を楽しむことができます。
こだわりぬいたマイク構造
無指向性、指向性それぞれのマイクは、特性を最大限に活かすために、形状や搭載位置、角度にも徹底的なこだわりを貫きました。無指向性マイクの周囲はすべて金属メッシュで覆い、超低域までありのままのサウンドを録音できるように最適化。指向性マイクは位相差のない同軸上に90度の角度で配置。ユニット背面にも充分なスペースを確保し、広い音場と自然なステレオ感を得ることができます。
外部機器の接続にも柔軟に対応
本体ボトム部にXLR、TRSバランス入力端子を装備。ファンタム電源にも対応していますので、コンデンサ・マイク、ダイナミック・マイクいずれも接続可能。さらにライン・レベルの入力も可能ですので、キーボードやAV機器のオーディオ出力やミキサーからのモニター出力を入力するなど、幅広い用途で使用することができます。また、本体右サイドにはPLUG INマイク端子も装備。野外録音や会議録音に適したコンパクトなマイクを接続することもできます。
内蔵マイクと外部マイクの組み合わせで、あらゆるレコーディング用途に対応
R-26は内蔵マイクと外部機器を組み合わせて、最大6chの同時録音が可能。マイクの組み合わせは13種類から選択することができます。
たとえば、アコースティック・ギターなどソロ楽器の演奏には、無指向性マイクを使用。ギターの胴鳴りやアンビエンスも的確に捉えます。
汽車や自動車の走行音、鳥のせせらぎといった環境音の録音には指向性マイクを使用。汽車や自動車の動きや鳥の位置などが明確に表現されます。
ホールなどでのコンサートの収録には、無指向性マイクと指向性マイクの組み合わせが最適。指向性マイクがそれぞれの楽器の位置や距離感を、無指向性マイクがホールの響きや雰囲気を余すところなく捉えます。さらに、外部入力端子にマイクを接続すれば、特定の楽器をピン・ポイントで狙うこともできます。
ライブ・レコーディングでは、外部入力端子とミキサーを接続し演奏音を録音、歓声やアンビエンスを内蔵マイクで録音します。外部入力と内蔵マイク、それぞれの音声は独立したファイルとして保存されますので、録音後、音声編集ソフトを用いて音量バランスを整えたりリバーブを加えるなど、編集も自由自在です。
各入力の干渉を抑える3系統のIARC
R-26の3系統の入力には、独自開発のアナログ回路「IARC(Isolated Adaptive Recording Circuit)」をそれぞれ搭載しています。デジタル回路や電源部とも完全に分離することでデジタル・ノイズや干渉を最小限に抑えた透明感のあるサウンドを実現しています。
録音前に最適な入力センス/レベルを測定するAUTO-SENS機能
対象となる音を適切なレベル(音量)で録音するには録音前の入力センス/レベル設定が不可欠です。R-26は内蔵マイク/外部マイクそれぞれに最適な入力センス/レベルを自動で測定するAUTO-SENS機能を搭載しています。入力センス/レベルの設定ミスによる、音の歪みやレベル不足を防ぎます。
瞬間のサウンドを録り逃さないプリ・レコーディング機能
録音待機にしておけば、録音ボタンを押したタイミングから2秒間さかのぼって録音されるプリ・レコーディング。たとえば野外録音で野鳥が鳴いたあとでも、2秒以内に録音ボタンを押せば鳴き声を録音することができます。これなら音の出始めを逃すことはありません。
録音ミスを防ぐリミッター/ローカット・フィルター機能
リミッターは突発的な過大入力を検出し、自動的にレベルを下げるリミッティング処理を行います。事前のレベル設定で想定した以上の大きな音が入力されても、歪み(クリッピング)を低減できます。さらに、音の周波数成の低域に集中しやすい不必要成分をカットするローカット・フィルターも装備。屋外録音の際の耳障りな風の吹かれノイズや低域の雑音、ライブ録音時の音割れ防止などに効果を発揮します。カットする周波数帯域も3段階(100/200/400Hz)から選択可能です。
大型タッチパネル・ディスプレイで快適操作を実現
視認性が高い大型画面を搭載し情報を集中表示。多チャンネル録音時の録音レベルやファイル編集時の波形表示まで一目で確認できます。また、直感的に操作ができるタッチパネルを搭載。直感的でシンプルなユーザー・インターフェイスで簡単に目的の操作にたどり着けます。
操作性を重視したハードウェア・デザイン
レコーダーで最も重要な入力レベル設定には専用つまみを用意。大型で指先に馴染みやすく、入力レベルを詳細に設定できます。また、録音/再生ボタンなど使用頻度の高い操作子も独立したスイッチとして装備。ストレスなく録音をお楽しみいただけます。
録音ファイルに音でメモをつけるボイス・メモ機能
録音ファイルに最大30秒のボイスメモをつけることができます。録音内容や状況を音声でメモしておくことができます。ボイスメモはファイル選択画面からファイルを選択して、いつでも聞きなおすことができます。
パソコンとの連携で拡がる楽しみ
R-26はパソコン(Win/Mac)とUSB接続すると、USBマス・ストレージやオーディオ・インターフェイスとして使用することができます。
ストレージ・モードでは、録音データ・ファイルをパソコンに直接移動することができます。本体からカードを抜き差しすることなく、簡単にデータをバックアップすることが可能です。
オーディオ・インターフェイス・モードではR-26をパソコンの音声入力デバイスとして使用することができます。ドライバ・モードは、WDM/ASIO(Windows)およびCoreAudio(Mac)に対応。たとえば、Cakewalk SONAR X1 LE のような音声編集ソフトに、R-26の内蔵マイクを使って歌やナレーションを直接録音することができます。ASIOにも対応し、最大24bit 96KHzでの録音が可能です。
さらに、パソコンのソフトウェアで再生した音を、R-26の内蔵マイクや外部マイクに入力された音とミックスしパソコンに戻すLOOP BACK機能も装備。インターネットの動画配信などで、BGMとアナウンスをミックスして配信することも、R-26 1台で実現できます。